松井秀喜の古傷再発は危険信号!? 専門家は｢選手生命を脅かす｣と指摘…

3日のヤンキース戦で左太もも裏に張りを訴え､1打席も立たぬままベンチに下がったレイズ･松井秀喜外野手｡
故障者リスト(DL)入りこそしなかったが､その後の出場は代打で登場した6日の1試合のみ｡
前半戦最後の試合もベンチに入りながら､出場することはなかった｡

松井はその日の試合後､
｢代打で(症状悪化の)リスクはほぼない｣(スポニチアネックスより)
と順調に回復していることを強調｡
球宴休みの4日間も治療に専念するとし､
｢何とか､完全に近い状態にしたい｣(サンケイスポーツより)
と後半戦からの先発出場に意欲を燃やした｡

ただ､松井にとって左太もも裏は､巨人時代の1998年､ヤンキース時代の2007年と2度痛めている古傷｡
本人は､
｢あの時(2007年)よりは全然､大丈夫だと思う｣(日刊ゲンダイより)
としているが､元横浜(現DeNA)のトレーナーで､現在｢石川マッサージ治療院｣の石川一司院長は､
｢30歳を過ぎた選手がふくらはぎや太もも裏を痛めると､選手生命を脅かされる恐れもあります｣(同)
と警鐘を鳴らす｡

まず石川院長は､今回の怪我が左太もも裏だったことと古傷の関係性を､
｢決して無関係とは言い切れません｣(同)
とし､こう続ける｡

｢一度､肉離れを起こすと､瘢痕(はんこん)化といって患部の筋膜断裂の症状が残り､完全に除去しきれないと再発を繰り返すケースがあります｡
松井選手の状態を見たわけではないので､ハッキリしたことはわかりません｡でも､古傷が再発した可能性も考えられます｡
過去に痛めた際､適切な処置が施されたと思いますが､疲労や体のバランスの悪さが重なって患部に負担がかかったのでしょう｣(同)

強靭な肉体と強い精神力で､2006年まで日米通算1768試合連続出場という記録を打ち立てた松井も今年で38歳｡
体のケアを怠っているとは思えないが､疲労が抜けにくくなってきているのは事実だろう｡

前述した通り､30歳を過ぎてから太もも裏を痛めると､選手生命に関わる場合もある｡
これ以上古傷を悪化させないためには､どうしたらいいのだろうか｡

｢患部の治療はもちろんですが､回復後の強化が肝心です｡走り込みや器具を使った強化､コーンを使ったダッシュ(コーンドリル)などで弱っている患部を鍛える必要がある｣(同)

今季､4月末まで所属先が決まらず､なかなか満足いく練習ができずにいた松井｡
本来キャンプで行うはずの下半身強化などが十分でなく､今回の故障を招いてしまった可能性は否定できない｡

なお､レイズは近日中にも左脇腹痛で戦列を離れていた外野手のジョイスが復帰予定｡
マドン監督は当分の間､松井を守備に就かせないことを明言しており､出場機会は激減する見通しだ｡

来季の契約を勝ち取るためには､一刻も早く古傷を完治させ､打撃でチームに貢献するしかない｡

(2012年7月15日)

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