楽天菊池獲りにノムさんで臨む?

20年に一人の逸材といわれる花巻東高（岩手）･菊池雄星投手の進路に国民が注目し、一大イベントとなる10月29日のドラフト会議。

10球団近い競合となることが確実の菊池を1位で指名する予定の楽天に仰天プランが浮上。

何とすでに「今季で解雇」を通告した野村克也監督にクジを引き当ててもらおうというのだ。

20年に1人の逸材を置き土産に、ということだが、いくらなんでも虫がよすぎる

17日に楽天は、米田球団代表らが花巻東高を訪問して、菊地と面談。

1位指名する意思を伝えている。

野村監督も

「菊地原（オリックスの投手）だっけ?　菊池か。『楽天に行きたい』といっているらしいやないか。そりゃ楽天は獲りに行った方がいいな」

宮城と岩手、隣県出身でで地元選手といってもいい菊池を指名すべきだと球団に進言する。

さらに野村監督の元には、関係者を通じて、

「菊池が『1年でいいから、野村監督の下でやってみたい』と言っている」

という情報が入っている。

しかし、今季限りでチームを去り、菊池の育成は果たせないだけに、野村監督は「まぁ関係ないや」と無関心の様子だが…。

そんな中、楽天に思わぬ問題が浮上してきた。

今年のドラフト会議は、日本シリーズ開幕（31日）2日前の29日に行われる。

球団は新監督で臨もうと考えていたのだろうが、クライマックスシリーズを勝ち進み、21日からの第2ステージで日本ハムを破って、まさかの日本シリーズ出場となれば、ドラフト当日の指揮官は、"まだ"野村監督だ。

監督欠席で臨むか、野村監督が出席するしかない。

実は過去にも、そのシーズン限りでの退任が決定している状況でドラフト会議に出席した監督はいる。

2005年の高校生ドラフトに巨人･堀内監督、06年の高校生ドラフトにヤクルト･古田監督（いずれも当時）が出席。

しかも堀内監督は2球団の競合で辻内崇伸投手を、古田監督は5球団競合の末、由規投手を引き当ててしまったのだ。

それだけにチーム内からは「野村監督に引かせれば面白い。意外と当てるんじゃないか」という声が上がり始めたというのだ。

過去の楽天のドラフトは「オレはクジ運が悪い」という野村監督ではなく、島田オーナーがクジを引き、07年は田中将大投手、昨年は長谷部康平投手を引き当てた。

しかし野村監督もヤクルト時代の1992年に、黄金の左手と称された相馬球団社長（当時）に代わりクジを引き、3球団競合の末、伊藤智仁投手を引き当てており、自分が考えているほどクジ運は悪くない。

菊池を引き当てた上に、日本シリーズで勝って日本一となれば、楽天も解雇する監督に「特別功労賞」を出さざるをえないだろう。

もっとも、ドラフト会議出席となれば、今や目も合わさない仲になっている島田オーナー、米田代表ら球団幹部と、長時間同じテーブルに座っていないといけない。

この苦痛に耐えられるかが、一番の問題となってくるのでは。

(2009年10月21日)

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