巨人はいつの間に雑草軍団となったのか?
昨年はラミレス、グライシンガー、クルーンらの大補強で「優勝を金で買った」といわれた巨人だが、今季の独走は様子が違う。

育成選手出身で今季年俸480万円のウィルフィン・オビスポ投手、同600万円の松本哲也外野手がブレーク。
14日のヤクルト戦(福島)では、ドラフト7位入団で今季年俸1560万円の東野峻投手がプロ入り5年目にして初の完封勝利を挙げた。

エリート王国のイメージが強い巨人で、いったい何が起きているのか。

巨人は、現在2位に大きな差をつけて首位を独走。

自身初の完封勝利でヒーローとなった東野は、9回のマウンドには

「みなさんはあまり意識せずに、と言いますけど、自分はすごく意識して臨みました」

「(開催地)福島は(出身地の)茨城の隣なので気合いが入りましたよ」とおどけた。

茨城・鉾田一高出身の東野は2004年のドラフトで、巨人では最下位の7巡目指名。

昨年9月に完投勝利を挙げて今季先発ローテ入りへの足がかりを築き、背番号も17に昇格したが、
入団から昨年まで4年間の番号は「93」と、期待は高くなかったことがうかがえる。

巨人はいつの間に雑草軍団化したのか。

それは、2005年に育成選手制度が導入されたことが大きなポイントである。

1軍の試合に出場する資格のある「支配下選手」は1球団70人までで、最低保証年俸は440万円。
これに対し、2軍戦しか出場できない「育成選手」のそれは240万円。

巨人では山口が育成選手から這い上がり、昨年は新人王、年俸4500万円となった今季はここまでMVP級の働きをしている例がある。

育成枠導入以前は、支配下選手が70人に限られているだけに、各球団はドラフト会議での失敗を恐れ、ネームバリューのある選手、
バランスの取れた選手ばかりを指名していた。

しかし、育成枠により、入団時に欠点が目立っていても"一芸"に秀でた人材を、リスクを気にせずに獲得できるようになったのだ。

こういう選手は魅力的な個性の持ち主で、当然ハングリー精神もあり、大いなる成長が期待できる。

専修大時代から俊足、好守、好打で知られながら、170センチと小柄な身長がプロ入りの障害だった松本は好例といえる。

山口、松本、オビスポら育成枠出身選手の台頭は、それまで「どうせウチでレギュラーになれるのは、超エリートかFA移籍組だけ」と腐っていた巨人の2軍選手にも刺激を与える。

もっとも、主軸にラミレス、小笠原がしっかりしているからこそ、若手が起用される面もある。
さらに、大不振の李承ヨプ、腰痛の高橋由などエリートが2軍に眠っている歪みも忘れてはならないのだろうが…。
(2009年7月20日)
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