青木ついにスタメン落ち初の大スランプ

今春WBCで大不振に陥ったマリナーズ･イチローの代役を十二分に果たしたヤクルト･青木宣親外野手。
だが凱旋のシーズンが始まると、イチローが味わった試練をなぞるかのように、自らも人生初の大スランプに見舞われている。

シーズンの半分をすぎても未だ打率2割4分台と復調の気配を見せない天才打者に対し、15日の巨人戦（神宮）でヤクルト･高田監督がついに決断。

青木の名前がスタメンから消えた。

すると打線は面白いようにつながって先発全員安打。今季チーム最多タイの20安打、13得点で打ち勝った。

高田監督は

「青木はずっと悪かったから、どこかでリフレッシュさせようと思っていた。これからチームを引っ張っていくわけだから」

と説明。

青木は６回に代打で出場も三邪飛に倒れ、試合後は

「監督から休めと言われたら休むしかない。僕がいなくても点を取っちゃうし、今年のウチは強いなと改めて思った」

と苦笑い。

開幕前はチームの中心と期待されながら、フタを開けると打棒が振るわず、打順が3番から1番に変更も効果は見えず。
まさにWBCでイチローが「心が折れそうになった」という苦難のストーリーを追体験している。
しかも不振のイチローに代わって3番に入り、ベストナインに輝くほどの打撃で日本代表を救ったのは、他ならぬ青木なのだ。

青木に代わってこの日も3番に入った福地は5打数3安打4打点で、あと二塁打が出ればサイクル安打という大活躍。

くしくもWBC期間中、青木は福地と同じように「イチローさんにも打てないときはある。みんなでカバーすることが大事」
と語っている。

イチローは頼もしいチームメートに支えられて決勝までたどり着き、最後の最後で大仕事をやってのけた。

「まだ70試合ある。これからです」

と前を向く青木にも、これから大事な仕事が待っているはずだ。

(2009年7月18日)

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