吉田秀彦、涙の引退。「悔いはありません」

25日、日本武道館で吉田秀彦引退興行～アストラ～が行われた。
吉田秀彦、総合格闘家としての8年間を締めくくる引退試合、その相手役は愛弟子・中村和裕が務めた。
試合は一方的な展開だった。中村の猛攻を受ける吉田。しかし、最後まで心は折れなかった。

柔道着に身を包んだ吉田と、いつもどおりのハーフパンツで挑む中村。
試合は打撃戦が主となる展開で進む。
しかし113キロの吉田に対し、95.7キロとスピードに勝る中村。吉田に容赦なくジャブを突き刺していく。
吉田の顔はあっという間に腫れ上がっていった。
圧倒的スピードで追い込まれる吉田。3Rで柔道着の上着を脱ぎ捨てた。
そして行われるはノーガードでの打ち合い。ボロボロの体で吉田は「打ってこいよ!!」と中村に檄を飛ばす。
打ち合いの果てに終了間際、中村が腕ひしぎを狙いにいくも、吉田は必死に耐え抜いた。
そして聴こえた試合終了のゴング。勝者は明らかだった。

0-3の判定負け。

けれども吉田に悔いは無かった。
引き続き行われた試合後の引退セレモニー。
「絶対泣かないと思ってたけど、両親の顔を見ると涙が出てしまいました。８年間、総合格闘技をやってきて悔いはありません。腹いっぱいやりました。これから、柔道に戻って、柔道に精進していきます」
涙ながらに思いを語った吉田。
こうして彼は8年間の総合格闘家としての人生にピリオドを打った。

(2010年4月26日)

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