デンマーク・オルセン監督「経験の差が勝負を分ける」余裕の表情〔W杯〕

60歳の敵将は余裕の表情を見せた。
「まずデンマークメディアの皆さんにお話ししたい。私の唯一の戦略的なミスは、きのうの協会とメディアとのサッカーで私が出場しなかったことだ」（ロイター通信より）
日本戦を前に行った23日の記者会見。デンマーク代表のオルセン監督は、さっそく会場の笑いを誘う。
決勝トーナメント進出をかけた大一番を前に、話す指揮官からは気負いや緊張といったものが一切感じられない。

19日の1次リーグ第2節でオランダの決勝T進出とカメルーンの敗退が確定したグループE。
残る一枠を争う試合は、今夜27時30分から行われる。
勝ち点3で並ぶ両国だが、得失点差で1上回る日本が有利な状態にある。
デンマークが決勝Tに進出するためには、この試合で日本を抑えて勝利するしかない。

しかし、指揮官の言葉からは勝利を確実なものとして疑わない、絶対的な自信がにじみ出ていた。
「我々のチームには十分なクオリティーに加え、経験が豊富にある。そして私はこの経験が勝負を分けると考えている。デンマークには各国のビッグクラブでプレーする選手が数多くおり、彼らは代表でもクラブでも、国際舞台での経験が豊かだ」
過去の出場3大会全てで決勝トーナメントに出場したデンマークだからこそ言える言葉。
「我々は間違いなく今までの2試合よりもいいパフォーマンスができるし、次のラウンドに進むためには、そうしなくてはならない」
日本を格下と見ての発言ではない。自分達チームの力を指揮官は信じている。
デンマークはスタメンの半数以上が30代。会見場では"高齢"であること不安視する質問が相次いだが、
「彼らは質の高さを長く保っている」と取り合う素振りを見せなかった。

脚の付け根に痛みを抱えるエースのベントナーに関しては、出場の可否をはっきりとは答えず、
「プレーできるかどうかを私は判断しないといけない」と言ったものの、
ベントナーは同日の公式練習ではスパイクを履いて元気な姿を見せている。

日本については
「昨年のオランダ戦を含めいくつか日本の試合を見たが、そのときとの違いはよりアグレッシブにプレーしているということだ」
とコメント。
そして、
「（第2節で）オランダは彼らを倒すのにラッキーな一撃を必要とした。このことが示しているのは、先に点を取ることが重要かもしれないということだ」
日本戦のカギを握るのは先制点との見解を述べた。

平均185cm超えの屈強なフィジカルと、豊富な経験値を武器とするベテラン揃いのデンマークか、
それともこれまでの2戦で"ビックサプライズ"と評されるほどの健闘を見せてきた日本か。
決勝T進出のチケットをかけた注目の一戦が今夜はじまる。

(2010年6月24日)

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