闘莉王1点先取後自ゴールに豪快ヘディング!! 中澤のオウンで逆転負けも本戦に希望の光!?〔W杯〕
30日に行われたサッカー日本代表対イングランド代表の親善試合。
日本は田中マルクス闘莉王のゴールで先制するも、後半2本のオウンゴールによって1-2と逆転負けを喫した。
全得点日本代表によるものという異例の試合結果となったが、GK川島永嗣の好セーブ連発や本田圭佑の惜しいミドルシュートなど、随所に良プレーが見られ、今後に期待の持てる試合となった。

セルビア、韓国に連敗していた日本代表だが、この日はこれまでにない集中力をみせた。
アンカーに阿部勇樹を置く4-1-4-1のシステムと、組織的なディフェンスで、序盤はイングランドに代わってボールの主導権を握る。
すると前半7分、右からのCKを任された遠藤がグラウンダーのクロスを入れると、二アサイドに走りこんだ闘莉王が右足からの強烈なシュートを決める。
大半の予想を覆すリードを得た日本はその後、1トップの岡崎慎二を残してほぼ全員がボールより低い位置を取りイングランドの攻撃に備える。
19分にはドリブルで持ち込んだウェイン・ルーニーからアーロン・レノンへの決定的なパスが通るが、GK川島が正面からがっちり抑えて得点を許さない。
一方、前線では岡崎がフィジカル勝負でゴール目前までに迫り積極的な攻撃をみせる。

後半に入るとイングランドは5人の選手を入れ替え、本戦直前の試合にテストを続ける。
対照的に日本は1人も交代させず、慎重なゲーム運びを継続。
51分にはゴール前で長谷部のパスを受けた本田が左足でシュートを放ち、積極的にチャンスを狙う。
しかし55分、ペナルティーエリアのすぐ外からフランク・ランパードがFKを放つと、壁に入った本田がまさかのハンドでPKに。
誰もが同点を予期したピンチだが、GK川島がしっかり抑えた。ランパードのシュートを右手一本でセーブして逆境を乗り越える。
流れを守った日本は67分、中盤の左サイドでボールを持った本田が、森本貴幸に絶好のパス。左足で放ったシュートは惜しくもGKの正面に。
GK川島は69分にもルーニーからの枠内ミドルをゴール左上に体を伸ばし右手ではじき、これまでゴールを死守するが、その3分後に訪れた事態にはなすすべがなかった。
右サイドでボールを受けたジョー・コールが駆け上がって鋭いクロス。
これを止めようとダイビングヘッドした闘莉王が、ワンテンポ間に合わずオウンゴールに。
さらに83分には、左サイドからのアシュリー・コールのクロスに中沢佑二がスライディングで合わせる形で手痛い2本目のオウンゴールを決めてしまう。
その後は両チーム、これ以上のチャンスをものにすることができずに、得点者が全て日本のDFという形で1-2で日本は敗れた。

試合には敗れたものの、今回の試合で貴重な収穫を得ることができた。
正GKの楢崎でもPKの得意な川口でもない川島の活躍。ケガでベンチに控えていた中村俊輔抜きで見せた前線の良好な連携。フィジカルで欧州の選手と対等に渡り合った長友と岡崎。そしてなによりも、イングランド相手にここまで充実した内容を残せたことによる自信。
6月4日に控えたコートジボワール戦で、同様か、それ以上の戦いを見せてくれれば。
岡田ジャパンに期待する気持ちは否応無しに高まる。
(2010年5月31日)
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