日本0-2韓国日本代表、最後の国内壮行戦で一切見せ場なく完敗〔W杯〕

W杯まであと3週間もないのに･･･
24日に行われたW杯前最後の国内壮行戦であるキリンチャレンジカップ2010日本対韓国戦、日本代表は0-2で韓国に完敗した。

会場で声援を送る人、テレビから見守る人。日本中が注目した韓国との壮行試合。
しかし、W杯での代表選手の活躍を期待し、送り出そうという雰囲気は開始わずか6分で崩れ落ちた。
「本当にこの状態で行くのか？」
誰もがそう感じたに違いない。

試合開始6分。あっという間の出来事だった。
右サイドで生じたこぼれ球をパク・チソン(朴智星)が長谷部から奪うと、縦へのドリブル突破から今野をかわしてエリア手前で右足シュート。
あわてて横飛びした楢崎の手をかすめたボールはゴール左隅にきれいに刺さって韓国が先制。
DFのタイミングはワンテンポ遅く、誰一人追いつけていなかった。

日本代表でいい動きを見せたのは大久保と長友か。
開始早々韓国ペースに呑まれた中で、前半21分、大久保がカウンターからドリブルで切り込み右足でシュート。
惜しくもボールはわずかに右にそれたものの、前線で切れのある動きを見せた。
長友は日本人離れしたフィジカルを武器に、誰よりも粘り強いディフェンスで奮闘。
前半39分にはドリブルでパク・チソンの激しいプレスをかわし、右サイドを猛スピードで駆け上がるとファウルを誘発させてチャンスを生んだ。

しかし、韓国ペースに呑まれた日本がゴールを奪うことは出来ず、終了間際の後半45分にはGK楢崎がパク・チュヨン(朴主永)を倒してPK。
ロスタイム2分のところでダメ押しの2点目を決められ、日本は0-2で韓国に完敗。

守備に気を取られすぎたのか。
守りは全力で走り、攻めは歩いているとはよく言ったもので、全体的に下がりすぎな感は否めず、前線での活躍が期待された本田は終始どっちつかず。
そして、何と言っても中村俊輔の動きの悪さが目立った。
攻撃をスローダウンさせた上に、相手にボールを奪われる場面が何度も見られた。
奪われた後の守備も不十分で、そこにはかつての輝きはなかった。

選手だけに非があるわけではない。
指揮官に至っては、試合後に日本サッカー協会の犬飼会長に進退を伺う始末。
「1年に2回も韓国に負けて申し訳ない。当然、責任問題を問われると思う。(犬飼)会長にも尋ねました。"やれ"ということだったので、前に進むしかない」(スポニチアネックス)
その言葉に前向きな姿勢などない。選手を率いる立場にありながら諦め漂うコメントを残す。

"不安"、というよりも「本当にW杯に行くの？」と思ってしまうようなこの日の内容。
重苦しい雰囲気の中、日本代表は26日に直前合宿地であるスイスに向かう。

(2010年5月25日)

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